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12月

【287】 2019年12月9日付 フィンテック最新事情(145)

「銀行が単に道具として使われてはいけない」
ビッグテックとビッグバンクの共同戦線 

 グーグルとシティバンクの共同戦線を簡潔に表現すると「グーグルはGoogle Payを通じてバンキングサービスを提供し、シティバンクはGoogle Payを通じてバンキングサービスを売り込む」。来月にもこの詳細は明らかになって、この共同戦線なるもの、来年早々に動き始めるようだ。
 「サービスの提供」か「売り込み」なのか、このどちらの表現を強調するのか立場により違ってくる。しかしグーグルにとって共同戦線の形態とは、独占契約でなく、世界にあるどの銀行とも共同戦線をとれる。そのため、グーグルの戦略に、注目が集まった。
 これが発表された1週間後、シティグループのコルバットCEOが銀行戦略研究所コンファレンスのCEOラウンドテーブルでこの共同戦線の概要と銀行の立場について、注目すべき発言をしている(アメリカンバンカー紙、11月20日付)「テクノロジー企業やフィンテック企業とのパートナーシップに、オープンである必要はある。しかしその過程では、多くを与えないように注意する必要がある。シティバンクが、単なるユーティリティ(金融サービスの道具)とならないことを非常に気にしている。この共同戦線では、シティバンクの持つ顧客とその所有権を相手に譲らないことに、特に強い関心を持っている」。
・・・続きは紙面に掲載

【286】 2019年12月2日付 フィンテック最新事情(144)

巨大連携を巡って情報が錯綜している
ビッグテックとビッグバンクの共同戦線 ㊤

 アマゾン銀行の誕生がいつになるのか、「米銀最大手のモルガン銀行とそのために話し合いを続けている」と昨年来から大きな話題になっていた。本稿でも「アマゾンのバンキングサービス次の一手は?」(2018年10月1日付、237号)で紹介して、1年が過ぎた。筆者にとって待ち遠しかったアマゾン銀行のニュースが11月6日、次の見出しで飛び込んできた。
「JPモルガン銀行はアマゾンを銀行と見えるように支援する計画を持っている」(バンクイノベーション発)、その翌週の13日に今度は「グーグルペイは、シティバンクを通じてチェッキング・アカウント(決済口座)を提供する」(ロイター発)とのニュースが続いた。
 ビッグテックとビッグバンクが互いに手を取り合うこのニュースを解説する記事が次々に報道されている。まずこの中から注目すべきものを紹介する。
 最初に、フィンテック業界のインフルエンサーとして有名な英国のクリス・スキナー氏。ビッグテックは銀行にならない。アマゾンは多くの銀行関連サービスを提供しているが、預金口座を提供するようなフルサービス・バンクへ向かわない。その理由は、もし銀行になったら、今のテック業界の規制よりも多くの規制がかかり、コンプライアンスのコストが大きくなるからだ。
・・・続きは紙面に掲載
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