本文へ移動

5月

【136】2016年5月30日付 フィンテック最新事情⑲

銀行とフィンテックとの協業が〝最終形〟になるのか
「スモール融資」に、参入障壁
 
 アメリカの独立宣言起草委員であり「アメリカの父」と称されるベンジャミン・フランクリンの名言に「この世の中に確かなものはない、死と税金を除いて」に「ローンのサイクル」を付け加え、フィナンシャル・タイムズ紙(5月1日付)は「フィンテックのレンディング・ビジネスに亀裂が走った」と報道した。
 銀行にとって融資(レンディング)ビジネスはコアビジネス。このためフィンテックの参入は脅威である。長い歴史の中で銀行界が経験してきた法則「金融が緩和した時にしかお金を借りられない人は、金融引き締めになれば債務不履行に陥る」が、テクノロジーとファイナンスをブレンドできると思われていたフィンテックのレンディング・ビジネスに襲いかかってきている。
 14年11月に54億㌦のIPOを成功させ、初日には希望上場価格を56%も上回る23.42㌦の高値を付けた米国の最大手ピア・ツー・ピー(P2P)レンディング会社Lending Clubのカリスマ的存在だったルノー・ラプランシュ最高経営責任者(CEO)が今年5月9日、ローン債権2,200万㌦ を投資家に不適切に販売し、その後、買い戻しせざるを得なくなったと発表して、CEOを辞任した。
・・・続きは紙面に掲載

【135】2016年5月23日付 フィンテック最新事情⑱

JPモルガン・チェース銀のダイモン CEO
個人情報は必要以上に集められている
 
 大手米銀3行が軒並み減益の16年第1四半期決算が4月上旬発表された中で、モバイルバンキングユーザー数の伸びに、注目すべきものがあった。
 「モバイルバンキングマーケットはまだ飽和状態でなく、限界にも達していない」と報道されたように、毎年2桁、しかも20%弱と高い伸びだった。
 J P モルガン・チェース銀は、15年対比19.2%増の2,380万人。ウェルズ・ファーゴ銀18.8%増の1,770万人。バンク・オブ・アメリカ14.6%増の1,960万人。このように多くの顧客がモバイルバンキングを使い、しかもPCのインターネットバンキングのユーザーと決定的に違うのは、肌身離さず持ち歩くスマホを頻繁に操作して、銀行とつながっていることだ。
 老舗であれ新興であれ、フィンテックのサービスには銀行口座のお金の動きに焦点を当てたサービスが多い。このサービスを支えているのがアカウント・アグリゲーションである。顧客が複数の銀行に持つ口座情報を集約するCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)はインターネットの出現以前から重要なサービスであった。
・・・続きは紙面に掲載

【134】2016年5月16日付 フィンテック最新事情⑰

「銀行か、フィンテックなのか」  これを徹底的に比較した報告書
すべての地域で「銀行より使いやすい」
 
 32カ国の銀行顧客1万6,000人と銀行経営者のインタビュー結果を分析した〝World Retail Banking  Report 2016〟がCapgeminiとEFMAから4月18日に発表された。この毎年恒例のレポート、今年はフィンテックについての利用者側からの評価と銀行経営者の認識と課題をまとめている。
 「フィンテックの魅力は、ますます広がってきた――」この見出しで、フィンテックの浸透度を、次のように説明した。
 グローバルには、銀行顧客の3分の2はすでにフィンテックのサービスを使っており、「銀行の中抜き現象」が起きている。
 地域で比較すると、南米では銀行顧客の77.4%と最も多くがフィンテックを使っている。続いて中央ヨーロッパ68.9%、中東アフリカ63.6%、西ヨーロッパ60.8%、北米59.1%、APAC58.9%。この順が示すように新興国ほどフィンテックは浸透が急速だ。
 次に、銀行経営者は「顧客からの信頼が高いと自負している」のだが、すでにフィンテックへの信用度が高まっている。
 例えば、銀行の顧客が友人に対して金融サービスを紹介する時に、「銀行かフィンテックか」について、次の注目すべき数字がある。
・・・続きは紙面に掲載

【133】2016年5月2日付 フィンテック最新事情⑯

「破壊的なフィンテックは銀行の脅威」か
成功例に「NY州との設立」 米国
 
 2010年からフィンテックマーケットへ投資された金額は500億㌦を超え、その対象となったフィンテックは2500社を数える。昨年の第4四半期にフィンテックへの投資が落ち込みバブルが弾けたとの観測があったが、今年第1四半期の数字は前年同期比
67%増の53億㌦だと報告されている。
 このフィンテックのスタートアップで驚かされた表現が〝破壊者〟である。実際に投資家はフィンテックに何を期待しているのだろうか。アクセンチュアから4月13日、投資対象のフィンテックを、「銀行に脅威となる破壊的なフィンテック」と、「銀行に協調的なフィンテック」に分類し、投資家からの期待を分析したレポートが発表された。
 すでに破壊的な立場でスタートしたフィンテックではあるが、これを銀行の協調者に立場を変えたとの事例は多くある。
・・・続きは紙面に掲載
株式会社 金融経済新聞社
(キンケイ)
〒104-0045
東京都中央区築地7-12-14
TEL.03-6264-0881

・「金融経済新聞」(週刊)の発行
・小冊子の発行

 
4
1
8
7
3
2
TOPへ戻る