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7月

【394】 2022年7月4日付 フィンテック最新事情(252)

ウクライナを繋ぎとめるフィンテック

持ちこたえるウクライナの金融エコシステム


 ここで紹介する講演内容の抜粋は、ウクライナの大手Sigmaソフト社で15年以上の経験を持つフィンテックのエキスパート、ハンナ・クリスチャノビッチ女史によるもの。国外への移住を余儀なくされ、国境で車の中で30時間待たされた後、ようやく家族とともにスウェーデンの首都にたどり着き、その直後に開かれたストックホルム・フィンテック週間で講演した内容だ。プログラムの説明には「ウクライナ出身のフィンテック企業幹部であるハンナは、2月24日以前に起こったサイバー攻撃を含むロシアの侵攻の行動、反応、結果について説明。この激動の時代にウクライナの金融市場の安定を保つために必要なことは何か、具体的に説明する」とある。
 最初に、「30年にわたる混乱」。1991年にウクライナが独立し自由国家となって以来、2度の革命、世界金融危機、クリミア半島の併合と東方戦争、Covid-19の大流行などに直面。ウクライナ人は2~4年ごとに、自分たちの生活に極端な影響を与えるような衝撃的な出来事に遭遇してきた。……続きは本紙で。

【395】 2022年7月11日付 フィンテック最新事情(253)

米銀行界が向き合うべき社会課題は尽きない
政治的論争に巻き込まれる銀行業界
 
 
アメリカンバンカー紙は6月28日付の紙面で「銃、気候変動から中絶まで、環境問題や社会問題に対する姿勢をめぐって、大手銀行は赤色の党が主導する州からの反発が強まる見通しに直面している。先週、連邦最高裁が1973年に中絶手術を憲法上の権利としたことを覆す判決を下したことは、州都における銀行業界の政治的立場がますます不安定になっていることを示す最新の例に過ぎない。一方で、銀行は、気候変動、銃規制、中絶の権利について進歩的な立場をとるよう、一部の株主を含む外部の活動家や多くの行員から圧力を受けている」と報じた。
 具体的な事例を紹介する。
 最初に銃規制について。テキサス州では、共和党幹部が銀行に対して銃器産業に対する政策を緩めるよう圧力をかけている。テキサス州知事は昨年、同州で政府との契約を受ける前に、銃や弾薬のビジネスを遮断する方針をとっていないことを証明するよう銀行に義務付ける法律に署名。この法律が施行されて以来、JPMorganとBofAの両行は、テキサス州の自治体融資案件の約600億ドル市場に参加する銀行のランキングで急落している。……続きは本紙で。

【396】 2022年7月18日付 フィンテック最新事情(254)

メガバンクが実った果実を刈にきている
JPモルガン vs  Goldmanサックス vs フィンテックの時代へ

 大変興味深い英国でのネオバンキング市場の現状が6月30日にフィンテックニュースAltfiから報道されたので、その概要を紹介する。
 ネオバンキングはもう新しいものではない。むしろ10年ほど前から、競争が非常に面白くなってきている。このトレンドの発端となったのが、リーマンショックを経て金融監督体制の大幅な改革を求め改正された英国の金融サービス法だ。2012年から10年経った今、Revolut、Monzo、Starling Bankといった定評あるデジタル・チャレンジャーが英国で勢ぞろいしている。……続きは本紙で。


【397】 2022年7月25日付 フィンテック最新事情(255)

大手銀行を崩すのは容易ではない
ネオバンク もはや誰も恐れない
 
 前396号で英国市場でのフィンテックのネオバンクと米国大手行のネオバンクの市場獲得競争について紹介した。チャレンジャーバンク、デジタルバンク、もしくはオンラインバンクとも呼ばれるネオバンクに関しては、“ネオバンク台頭への対応”(6月6日、BAI)、“ネオバンク時代の終焉”(6月20日、Forbes)、“ネオバンクはもはや誰も恐れない”(7月8日、Finews Asia)とさまざまな角度からの分析が報道されているので、その概要を紹介する。
 ネオバンクの登場を振り返ってみると、約10年前の2014年時点で8行しかなかった。しかし、22年の今、世界中の各国市場で爆発的にフィンテックが誕生し、銀行を破壊するという正面攻撃のミッションを持ったフィンテックがネオバンクとして戦いに挑んでいる。その結果、今では世界中にネオバンクが400行以上も存在し、推定10億の顧客にサービスを提供するまでに至っている。その中の5行に1行は米国市場に展開し、1億以上の口座にサービスを提供している。前号で英国の代表的なネオバンクとしてRevolut, Monzo、Starling Bankを挙げたが、米国ではChime、Varo、Currentが代表的なネオバンクに名を連ね、2021年には上位10行だけで2330口座から3350万口座へと急増し、たった1年間で1000万件強の口座を獲得している。 ……続きは本紙で。

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