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2014年1月1日

2014年1月1日付 第2780号

〈1面〉2020年と日本経済 「好循環実現」に先手
 
 
 2013年12月の月例経済報告から「デフレ」の表現が消え、クリスマス・イブの東京株式市場の日経平均株価は、2007年12月11日以来、約6年ぶりに1万6000円を上回った。大手資産運用会社が調査した13年の日本経済を表す漢字一文字のトップに「昇」が選ばれるなど、一昨年末の政権交代を契機に景気回復は着実に進展している。日本経済が確実に成長力を取り戻すには、成長のエンジンである民間の力を引き出すことが重要。その意味からもアベノミクス2年目となる2014年は、まさに実行力が問われる1年になる。そこで「2020年と日本経済」と題し、識者などの見解を交えながら、主に2020年以降の日本経済のあり方や金融・社会インフラの動向、地域金融機関の再編の行方などを紹介する。
 
〈1面〉新春インタビュー 日本総合研究所調査部長・チーフエコノミスト 山田 久氏に聞く
 
 2013年の日本経済は安倍政権の経済政策・アベノミクスの金融政策・財政政策の効果で景況感に明るさが戻った。このトレンドを持続的に維持させていくには成長戦略の実効性がカギを握る。アベノミクス2年目の課題などを日本総合研究所の山田久調査部長・チーフエコノミストに聞いた
 
山田 久氏
 
〈2面〉特集 2020年と日本経済 
     三菱UFJ信託銀行 不動産コンサルティング部長 橘田 万里惠氏に聞く
 
  
 「期待先行」でありながらもアベノミクス効果が不動産マーケットに及んでいる。東京五輪の開催決定も追い風となりそうだ。不動産投資マーケットなどに詳しい三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部の橘田万里惠部長に今後の見通しや課題を聞いた。

橘田万里惠部長
 
〈3面〉特集 2020年と日本経済
     野村証券 エクイティ・リサーチ部 佐藤 正彦アナリストに聞く
 
 
 地域銀行の再編観測が再び熱を帯び始めた。地銀業界をウオッチする野村証券エクイティ・リサーチ部の佐藤雅彦アナリストは、日本に道州制が導入されれば、地域銀行の数は計20行程度にまで再編が進むと指摘する。その背景などを語ってもらった。
 

佐藤正彦アナリスト
 
〈5面〉フィッシング・ウィルスに注意
 
  インターネットバンキングを狙った不正アクセスや不正送金などの被害が続出している。情報を入力させるように細工された添付ファイルが付いたフィッシングメール、ワンタイムパスワードを知らせるメールを盗み見る、ウイルス感染による偽ポップアップなどの手口も最近では巧妙になってきた。金融機関が取るべき対策は何か。インターネットバンキングを狙う手口とその対策を情報処理推進機構(IPA)技術本部の田中健司研究員に聞いた。
 
田中健司研究員

〈6面〉海外関連セミナー ハラルやめメキシコなど 対象地域拡大 -地銀の対応ー
 
 景気浮揚の兆しが見えてきたものの「成熟」した国内に対し、これからの成長が見込める新興国を新たなマーケット開拓先や収益源として位置付ける企業は多い。大企業はもちろん、今や中小企業も視線の先には海外がある。少し前までは主な進出先はアジア一辺倒、という印象だったが、最近ではイスラム圏や中南米といった思いもよらない国にも出ようという意欲もある。各金融機関でも「いかに進出企業をサポートするか」が勝負拠点設置先やその役割も新たな顔を見せ始めている。
 
〈6面〉バンコクに事務所 信金 初おもてなし精神で 瀬戸信金 

 愛知県瀬戸市に本店を置く瀬戸信用金庫が昨年8月、信用金庫業界で初となる海外拠点をタイの首都バンコクに開設し、脚光を浴びた。10月には現地で事務所開きが行われ、現地の政府要人や国内金融機関のトップら200人が集まり、門出を祝った。
 
高僧を招き事務所の成功を祈願する瀬戸信金関係者
 
〈6面〉海外展示会の出展支援 多摩信金
 
  東京都立川市に本店を構える多摩信用金庫は取引先の海外ビジネス支援で新たな取り組みを行った。海外への販路拡大で中小企業の出展サポートに乗り出したのだ。この展示会がインドネシアのジャカルタで昨年12月4日から7日に開催された国際機械展示会「ManufacturingIndonesia2013」。多摩地区の技術力をアセアンのバイヤーに訴求するのが狙い。

ジャカルタで開催された「国際機械展示会2013」
 
〈8面〉東海特集 女性の戦力化 最前線を探る
 
 
【名古屋】少子化対策との側面もあるが今や女性の戦力化は避けて通れない経営課題と言えるだろう。国や社会の要請もあるが、新たな価値を創り出すイノベーションにつながる可能性も秘めている。一方では、採用を絞り込んだバブル崩壊後時代の代償という面もある。雇用機会均等、ポジティブ・アクション、ダイバーシティー、仕事と家庭の両立、男女共同参画社会、いろんな思いが詰まって女性の戦力化が叫ばれている。男性社会の象徴とも言われた金融機関はこのテーマにどう立ち向かっているのか。東海地区金融機関の代表選手に登場してもらった。
 
〈8面〉百五銀 「職場のママ友」目指す

 百五銀行が熱を入れているのが産休・育休取得者へのフォローアップだ。現在の行員数は約2500人、このうち女性行員は1000人弱と4割を数える。そして年間で常時50人前後の制度利用者がいる。銀行にとって大切な人材だ。産休に1年半の育休を含めると最大2年もの長期間にわたって職場を離れる勘定になる。その間、どうコミュニケーションを図るか。2007年から年に1回導入したのが「育休取得者ミーティング」だ。
 
育休ミーティングに子ども連れで参加する女性行員たち

〈9面〉関西特集 海外業務強化へ人材育成
 
 【大阪】加速する取引先法人のアジア進出に向け、人材育成を急務とする地域銀行。人材面だけでも、現地銀行との提携によるトレーニー場所の確保や駐在員事務所創設、あるいは短期研修制度の充実を図ってきた。アジアとの貿易を特色とする近畿地区で京都銀行、滋賀銀行に話を聞くとともに、海外経験者を対象に西日本支社が独自に調べた「海外経験者アンケート」の結果もまとめてみた。
 
〈9面〉京都銀 今後は短期トレーニーも

 トレーニーは現在、上海、広州、ベトナムにある国内大手の現地法人に3人を派遣している。「海外で活躍した銀行員が研修終了後に、現場のトップランナーとして動ける役席者を育てていく。そのために、中国や東南アジアにコンスタントに派遣している」(奥野美奈子・京都銀行金融大学校長)という。公募後は論文、面接などを経て決める。語学研修は英語が3カ月で、中国語の場合6カ月。東京都内の語学スクールで学習し、海外現法、駐在員事務所で実務研修を積む。人により異なるが、長期トレーニーの場合は3年で育成するプログラムだ。
 
顧客と商談する京都銀行上海駐在員

〈9面〉滋賀銀 香港支店で短期研修実施
 
 現在、トレーニーは長期の場合、中国の上海(語学研修)、武漢、インドネシアの3カ所に3人を派遣している。上海は2014年2月から通常トレーニーの形になる。期間は1年。13年4月からは短期トレーニー制度を新たに設け、同行の香港支店で3カ月間研修を実施する。現在、3人目の行員が現地の金融を学んでいる。
 
海外研修論文入賞者の旅行記を掲載した滋賀銀行の行内報

〈11面〉通常国会に基本法提出か 「反社」排除
 
 自民党の金融調査会・財務金融部会は2013年12月18日に疋田淳・日弁連民事介入暴力対策委員会前委員長から「反社会的勢力と金融機関の対応」を聴取した。疋田氏には常時SP2人が付く警備状況で部会は議員だけの参加となった。疋田氏は「国がリーダーシップをとるべき」で、この通常国会で「基本法案の提出を検討すべきだ」と主張した。
 
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