2013年8月5日

2013年8月5日付 第2762号

〈1面〉「アベノミクスと日本経済」これからが本番
 
 マインド好転を経て、実体経済にじわりと波及へ――。政権交代への期待感の高まりからその実現、日銀の異次元緩和に代表される経済政策などと、昨年秋を起点に久しぶりに日本が世界の注目を集めた。主役は安倍政権の経済政策「アベノミクス」。経済統計・指標には「回復」の文字が躍り、6月の完全失業率は4年8カ月ぶりに4%を下回った。4~6月期の鉱工業生産指数(季節調整値)は前期比1・4%の伸びを示した。ただ「アベノミクスは期待先行・市場先導の第1段階が終えんし、実体経済そのものの改善が問われる第2段階に入りつつある」(山田久・日本総合研究所チーフエコノミスト)これからが正念場。財政再建策の実効性の行方に、特に海外投資家の目が光る。「成長戦略と財政再建」をテーマに追った。
 
〈1面〉問われる戦略の実効性 野村証券金融経済研究所チーフエコノミスト 木下 智夫氏に聞く
 
 政府は7月の月例経済報告の基調判断で、また日銀は同月の金融政策決定会合の景気判断で、ともに「回復」の言葉を入れた。昨年末に発足した安倍政権の経済政策「アベノミクス」効果なしには語れない。本格軌道に乗せるには成長戦略の実効性が問われる。野村証券金融経済研究所の木下智夫・チーフエコノミストに聞いた。
 
〈2面〉一本目の矢は成功 安倍政権高支持の原動力 アベノミクス
 
 安倍政権が昨年暮れに誕生してから7ヵ月余りが過ぎたが、国民からの支持率は高く、先月の参議院選挙でも自民党に大勝をもたらした。デフレ脱却を主目的に、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」という三本の矢を掲げ、特に日銀による異次元の量的緩和などの金融政策が奏功し、株価は上昇、為替も円高が進んだことなどから、これまでのところアベノミクスは成功しているとの見方が一般的だが、今後については不透明な部分も多い。
 
〈3面〉女性の活躍は企業戦略 金融業界に求められる「一歩リード」
 
 政府の日本再興戦略の中で経済政策の中核に盛り込まれた女性の活躍推進。生産年齢人口の食い止め、税の担い手増強、世界市場への適応可能性拡大などを担う。金融業界は女性社員が多く、国の調査でも、女性社員の能力発揮を促す体制整備に「最も積極的に取り組む業界」なのが明らかだ。ある企業の女性社長は「男性社員も親の介護を抱える時代。男女問わず働き方自体の変革を」と話す。働く事への考え方は人の数だけある。力を発揮して働き続けるため、まずは企業や社会に対し実績を見せ、多種多様なモデルをつくる必要性がありそうだ。
 
〈4面〉「東海地区」特集  ビジネスに高校生の知恵を拝借 西尾信金、豊川信金にみる
 
 地域経済を発展するには地元に根付く中小企業にいかに元気になってもらうかにかかっている。全国共通の課題だ。そのために地域経済の一翼を担う地域金融機関は、外部機関との連携をはじめマッチング、産学連携、地域ファンドなどあの手この手の支援、刺激策に躍起になっている。そんな中、ものづくりのメッカでもある愛知県でこれまでにない新たな動きが出ている。知恵を拝借しようという相手は高校生だ。いったいどんな取り組みなのだろうか話を聞いてみた。
 
 西尾信用金庫(本店=愛知県西尾市)は2010年度に地元の高校生を対象に「西三河ハイスクール起業家コンテスト」を始めた。高校生自らが仮想の企業を立ち上げ、事業計画を練り、商品を販売し、財務までしっかりと把握していく。信用金庫業界が進める社会貢献賞で今年の最優秀賞である会長賞も射止めた。
 
 豊川信用金庫(本店=愛知県豊川市)は「かわしんビジネス交流会」の名称で、毎年、地元市町村や大学などとスクラムを組んでマッチングを開催している。ネーミングの通り、中小企業が持つ自慢の製品やサービスの展示会であり、交流を通じて技術協力や販路拡大に結びつけるのが目的だ。ビジネス交流会を取り仕切る地域貢献部地域貢献課の佐原裕一郎課長は「ものづくりに限らず農商工バランスが取れた地域で、良いものはあるんです。そこでお見合いの場を設け、一人でも多くの人にその魅力を知ってもらう手伝いをしたいと考えました」ときっかけを話す。
 
〈5面〉「近畿地区」特集 税理士と連携して地域活性化 京都信金「近税京信連絡協議会」の活動をみる
 
 京都信用金庫(本店=京都市)と地元税理士会がつくる「近税京信連絡協議会」は地域活性化を目的に活動を展開してきた。同協議会が正式に発足してから8回目を迎え、今年も7月8日に例会懇親会を開いたばかりだ。261人が参加した。例会では、個別にテーマを設けて勉強し、例会のほかでも切磋琢磨して支援や再生により地域を盛り上げてきている。金融機関と地域の税理士および税理士会の取り組みは地域によりまちまちだ。TKCを含めた個別の勉強会や若手経営者の会などで金融機関との部分的な結び付きがあるが、企業支援や経営改善計画書づくりの現場において全体的な取り組みは少数派。「地元企業の支援のために協働して取り組もう」との発想で開始した同信金の活動についてまとめた。
 
懇親会には支店長も参加する 
 
〈6面〉がん保険で提携  日本郵政とアフラック TPPに好影響も
 
 日本郵政とアメリカンファミリー生命(アフラック)は7月26日、がん保険に関して業務提携を行うことで基本合意した。アフラックのがん保険について、日本郵便が取扱局を拡大、かんぽ生命でも新規取り扱いを開始、また、日本郵政グループ向け専用商品の開発も検討していく。日本が正式参加する環太平洋経済連携協定(TPP)では、保険分野は日米の懸案事項の一つに上っているが、今回の提携は結果的にそれに配慮した格好となり、TPPに好影響を与えることになりそうだ。
 
提携会見で「共同宣言書」を示す日本郵政の西室泰三社長(右から3番目)とアフラックのダニエル・エイモス会長兼最高経営責任者(左から2番目)
 
〈6面〉飯能信金の内田理事長 城西大で特別講義
 
 飯能信用金庫(本店=埼玉県飯能市)の内田哲理事長は7月10日、埼玉県坂戸市の城西大学で「地域金融機関としての今後の飯能信用金庫について」と題した特別講義を行った。内田理事長はまず、金融とは何かに触れ「金融は人間が経済とすると血液の部分。特に中小企業は毛細血管の部分にあたるので、その毛細血管がしっかりしていないと体全体もしっかりしない」と指摘。そのうえで「われわれは経済を支えている。金融がダメなら経済もダメになるので大事な役目を負っている」と述べ、経済を体、金融を血液にたとえ金融の大切さを分かりやすく説明した。
 
〈7面〉日本クレジット協会 大森一廣新会長に聞く
 
 6月に日本クレジット協会の第2代会長に就任した大森一廣氏。これまで三菱UFJニコスや指定信用情報機関シー・アイ・シー(CIC)の社長などを務めてきた大森新会長は、自主規制団体、個人情報保護団体に加え、「今後は業界団体としての役割を強化したい」と強調する。日本貸金業協会やCICなどと連携し、貸金を含む消費者信用市場全体の発展をリードしていく考えを示した。
 
大森一廣新会長
 
〈8面〉進化する〝サイネージ〟 金利情報からAR技術まで
 
 電子看板と言われ今では駅やデパート、映画館、空港などで盛んに活用されているデジタルサイネージ。プラズマ、LCD、LED、映像プロジェクタなどで文字・動画・静止画を表示する装置だ。このデジタル技術を最大限に活用しようと金融機関もサービス向上やイメージアップのために店舗内外、ATMなどに設置し金利情報、商品PR、イベント情報などさまざまなコンテンツを配信している。金融機関ではデジタルサイネージをどのように活用しているのだろうか。活用策や導入によるメリットを紹介する。
 
顔認識技術を用いることで性別、年齢に合ったアイテムやコンテンツを表示
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