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2020年1月1日

2020年1月1日付 第3049号

1面

「BANCS」のスタートから40年余り。ネットワークの高度化への好例となりそうだ
デジタル時代の『相互運用性』
 銀行間ATMに次ぐ第2波か 競争と技術革新 両立へ 
  独占問題は回避可能 「仲介業」の創設提言
 
 2020年代は各金融機関がフィンテック企業を中心に新たなプ
レーヤーから生み出される技術革新(イノベーション)を取捨選択
して取り込む流れが、さらに加速しそうだ。それを後押しする金融
法制の規制緩和や整備は段階的に進み、今年は決済および金融サー
ビス仲介に関する法案が通常国会に提出される見込みとなった。一
方でフィンテック企業が運営する決済の基盤(プラットフォーム)
は林立し、早くも体力消耗を余儀なくされている。そこで重要にな
るのが、関係機関が互いに協調する「相互運用性の確保」との指摘
だ。好例となる銀行業界でのCD・ATM提携に次ぐ第2波となる
のか—。
【新春 Special Interview】 
 みずほ証券 飯田 浩一 社長
  「未来予想図」プロとして届ける 
    供給側の論理ではなく、顧客の人生のテーマを
 
 みずほフィナンシャルグループが一体で乗り出す構造改革の中で、みずほ証券の飯田浩一社長は証券ビジネスの本質について金融・資本市場を通じてステークホルダーをつなぐ「架け橋」だという。就任後、およそ1年半で印象に残ったことを問うと「すべて」と笑顔をみせながら、「市場環境の変化を受けながらも、あらゆる部署が壁をつくらずつながり、広がることで、社員がいきいきとお客様のために動いてくれている。構造改革が順調に進ちょくしている」と手応えを語る。

2・3面(特集) 共存共栄

【新たな潮流生み出す次世代連携】
 
 昨年は平成が終わり令和の時代を迎え、「共生」がトレンドになるなど、社会の変化は一層加速している。金融機関も同様で、あるメガバンク幹部は「自社だけでは、時代の流れに追いつけない」と話す。これまでは独立独歩で進められてきたことも、業種や企業の規模にとらわれず、共同で取り組むケースが増えてきている。金融機関同士の結びつきも増えている。顧客の利便性が高まるだけでなく、新たなイノベーションの誕生にも期待が集まる。

4・5面(特集) 「統合」より「協調」

地域銀連携発展ステージに アライアンスの深度増す
 TSUBASA 上半期に新デビット プラットフォーム事業化で
 
 2020年の地域銀行はどのような展開を辿るのか。再編とは一線を置く形で3年前から始まった地域銀同士の「緩やかな連携」は昨年、同一地域内に営業地盤を持つ複数の連携の動きへとつながった。この流れはSBIホールディングス(HD)に代表される他業態からの参入も呼び込む一方で、先行する一部のアライアンスでは、プラットフォーム化による共同事業としての動きが複数の業務や事業で進展している。連携の今はどうか。その現状報告とあわせて、今年の展開についても占った。
 
 兵庫信金 みなと銀とM&Aで提携
  19年夏に第1号成立 団塊世代の事業承継「待ったなし」
 
 5公庫の「薩長土肥連合」 東京で地元売り込み
 
 南都銀、ゆうちょと組む 「共同窓口」その先は?
 
 四国アライアンス 逆風を共通認識
  商談会は目標超え、証券ビジネスも順調
 
 東京きらぼしFG 本業支援の輪、内外で
  取引先が山形県に工場
取引先の問題に寄り添う(写真は兵庫信金本店)
日本郵政との提携は過疎地の店舗モデルになるか(写真は南都銀本店)
契約調印式に参加したきらぼし銀の田原宏和会長(左端)きらやか銀の川村淳常務(右端)ら関係者

6・7面(特集) ようこそ日本へ

選手村も完成に近づいている
東京2020 いよいよ開幕 進め多様化
 
 いよいよ「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」(東京2020)がやってくる。
 都内の金融機関関係者は一様に「東京がどういう状況になるのか皆目、見当がつかない」と口を揃えるものの、沸き立つ心は隠せない。
 マーケットの識者たちの見立てはこうだ。大和総研シニアエコノミストの小林俊介氏は「五輪が終わっても競技場や晴海ビレッジなど施設は残る。居住者の増加、スポーツ・国際会議の開催につながれば少なくとも都の経済活性化につながる」と話す。五輪に向けて新幹線などのハードだけでなく、英語可能、バリアフリーの施設やタクシーの増加、Wi―Fi完備など社会インフラの変革があると指摘する。
 クレディ・スイス証券日本最高投資責任者の松本聡一郎氏は「インバウンド増加は消費など日本の内需を刺激、五輪後もIR事業の開始や万博などが予定され、インバウンドの継続的な需要創出が期待される」と見る。五輪を経験して日本企業や社会が多様性を受け入れ、寛容性の高い社会を実現できれば、継続的な生産性向上にも期待ができるだろう―と考える。
 増えるのは訪日外国人にとどまらない。国内の労働人口不足や19年4月に施行された改正出入国管理法の影響で、日本に住む外国人は急増する。生活インフラの一端を担う金融機関は、さらに多様化していく顧客ニーズに対応しなければならない。取引企業の海外進出先もより広がるだろう。メガバンクはもとより地域銀行でも外国籍行員の採用に積極姿勢を見せ始めている。身近に存在すれば文化の違いや感覚の差を肌で理解できるとして「仲間に加わり、戦力に」と願う。
 12年のロンドン五輪ではオリンピックだけでなくパラリンピックの人気が沸騰、「他者との違いを受け入れる」という世界的なダイバーシティの定着に一役買った。東京2020そして「その後の日本」は後世に何を遺産として残すのだろうか。
 
 みずほFG 社員、顧客の飛躍に
  64年大会も開催に尽力 社内外の新たな結びつき どう生かす
 
 三井住友フィナンシャルグループ 
 「共生社会実現」にグループで多面的支援
  パラアスリート、多数
 
 横浜銀 外国籍行員、新卒で毎年採用
  フォローアップ研修も
 
 日本損害保険協会 訪日、在留双方の外国人に安全安心
 
 東京スター銀 新卒も中途も積極的に 「育てる」姿勢で
今後の活動を話し合うみずほFGの村上成幸氏(左から2人目)とPTメンバー
外国人顧客向けに10カ国語対応のタブレットを全店に導入していく(写真は横浜銀行本店)
裏面には都内有名サイクリングスポットの地図を掲載、手にとってもらいやすい工夫も
東京スター銀の陸擎さん㊧と地村純子次長
東京本部ビル1Fのエントランスは五輪一色。聖火トーチをもつ山内修平氏
【日本生命 東京2020推進担当部長 山内 修平 氏に聞く】
 全国、地域とともに中長期的価値を 日本のみらい創りの象徴
 
 生命保険業界ゴールドパートナーの日本生命はスローガンに
「Play,Support.~さあ、支えることを始めよう。~」を掲げる。2018年7月から2年かけて東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と「みんなの2020全国キャラバン」を共催。3月までに全都道府県を網羅する。大会本番まで続く聖火リレーの支援役でもある。東京2020推進担当部長の山内修平氏は「東京だけではなく全国で、そして、自分たちの想いだけではなく各地域と一緒に、積み上げて盛り上げていくことが大事。それがレガシーになる」と話す。
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