キンケイ最新号ダイジェスト

2017年8月7日付 第2944号

1面

預金の「一歩先」へ 正念場
「資産形成」キーワードに挑戦
 
 どの金融機関のトップも「低金利環境は当面続く」と口をそろえる。従来の預金や貸し出しのビジネスモデルでは収益が見込めず、流れこむ預金を国を挙げて「資産形成へ」と促す。
 20年近く「貯蓄から投資へ」と言われ続けたものの、家計の金融資産に占める株式や投資信託の比率は高まらなかった。
 投機的な印象が拭いきれない投資というワードを、時間をかけて積み増すイメージが強い資産形成という言葉にして「一歩先」へ進める。時間という大きな財産を持つ若年層への訴求力を意識したものと言えよう。
 個人型確定拠出年金iDeCoや来年早々にはつみたて(積立)NISAも動き出すなど、御膳立ては整った。資産運用の世界は拡大が見込めるが、その前段階として販売金融機関には手数料の明確化や分かりやすい情報提供など、これまでの販売体制の抜本的見直しが求められている。
 ある金融マンは「預金から金融資産への転換を促す提案ができないと、存在価値がないと言われかねない。覚悟を持って取り組まねば」と話す。
 
 「ニーズ喚起」コンサル強化型店舗
 
 運用事業も表舞台に
【トップインタビュー】 三菱UFJ信託銀行  池谷 幹男 社長
 信託の時代 新モデル構築 グローバルでも成長を
 
 貯蓄から資産形成への流れの中で信託への期待が高まっている。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は「再創造」を掲げた新たな戦略で方向感や将来像を共有、グループ経営の強化に乗り出した。資産運用など信託特有の業務をより手厚くする三菱UFJ信託銀行の池谷幹男社長は「新しい信託銀行モデルを創り、グローバルでも資産運用ビジネスを成長させる」と意欲的だ。

2・3面(特集 地方創生)

にぎわい創出に向け 斬新な発想で街再生
 
 地方創生は地域金融機関にとって避けられない共通テーマだ。東京など大都市の一人勝ちの陰で、地方では人口減少、少子高齢化が着実に進んでいる。「本来、活性化は地方行政の仕事。金融機関の守備範囲ではない」―。そんな恨み節も聞こえてくるが、指をくわえて見ているだけでは足もとが崩れ、未来もない。「アリバイ作りの名ばかり協定」などと揶揄される中で、新たな発想や地元との連携で活性化に本腰を入れるところもある。専門家へのインタビューと、天災対応とともに、地域金融機関の地方創生の今を考える。
 
 大和信金 レストラン・町宿に改修 9月にファンド第1号
  町カフェは成功第2、第3の矢進行中
 
 但陽信金 シャッター通りからの脱却
  ターゲットは女性企業家
日本の原風景が楽しめる町宿
空き店舗で悩む寺家町商店街
北部九州豪雨 金融機関どう動いたか
 豊和銀 トップが翌日現地入り
 
 大地震や集中豪雨など天災被害が各地で相次いでいる。被害はいずれも甚大で、しかも発生頻度は年々高まっている。続発する天災にどう対処すべきか、地方創生の観点からも、地域金融機関にとって天災対応は今後重要なテーマになりそうだ。北部九州豪雨による水害被害に見舞われた大分県日田市の金融機関の取り組みを報告する。
豆田町を南北に貫く上町通り。観光客が戻りつつある
豪雨から3週間経つが、水害による傷跡はいまだ癒えていない(泥が貯まった薫長酒造の床下)
豊和銀は観光客を呼び戻すため、「絵葉書作戦」を展開している
浸水被害に見舞われた日田信金の豆田支店。職員総出で水を掻き出し、豪雨当日も店を開けた

4面(特集 激戦地「札幌」の店舗戦略)

金融機関が密集した札幌駅前通り
「協調と競争」信金は新しい主役
 16信金83店舗に拡大 ハードル高く開拓には壁
 
 道内信金の札幌市内店舗数が80店舗を超えた。札幌市は北海道経済の中心都市で人口は195万人と全国で4番目を占める。毎年1300万人の観光客が訪れる観光都市でもある。事業所数は8万2000社、従業員83万人と大規模な経済圏だが、金融機関は約280店舗もある激戦地だ。地方の人口減少が続き、札幌への一極集中が一層強まる傾向がある。
札幌信用金庫 吉本 淳一 会長 インタビュー
 「アワーズしんきんバンク」目指す 点と面、つなぐ営業
 
 2018年1月に札幌・北海・小樽信金の合併により北海道で初の1兆円信金「北海道信用金庫」が誕生する。17年3月末時点の単純合算で預金量は1兆615億円、貸出金は5920億円、自己資本額は700億円を大きく超える規模になる。「道央圏を守る目的の下、一つになり経営効率化を図り地域経済の活性化、地方創生により一層貢献していくために合併を決断した」と話す札幌信用金庫の吉本淳一会長に合併後の経営戦略を聞いた。

5面(特集 東海地域銀 手数料ビジネスを読む)

顧客と銀行に実のある手数料体系の構築に知恵を絞る
自行機無料化 対話につなぐ
 コスト減も囲い込みも
  変化するATMの位置づけ 存在感示すコンサル業務
 
  【名古屋】手数料ビジネスの重要性が高まっている。金融機関によってスタンスの違いはあるものの、金融環境の変化に合わせて収益源の多様化を図っていく必要性が増しているからだ。だからと言って、単純に「価格を値上げします。金利を引き上げます」では利用者の理解を得るのは難しい。東海地区の地域銀行において「顧客が納得できる適正な利潤を得る」(地域銀頭取経験者)かじ取りの現状を手数料から読んでみる。

6面(総合)

「『18年3月末』後のあり方の検討を急ぐべき」と指摘
自民■ 行革推進本部
 ファンド「規模・経費」注視 効率的運用、政府に要請
 
 自民党行政改革推進本部(本部長=河野太郎衆院議員)は7月27日に自民党で記者会見を開き、「規模が拡大している」として「官民ファンドの効率的・効果的運用」を政府に要請した。
相談者は年収1000万円超の人や債務者の家族などさまざまだった
弁護士会の銀行カードローン110番
 報道で問い合わせ急増
 
 全国の弁護士会は1日に、銀行の消費者向け貸し出しをテーマに電話による無料の消費者相談を各地で行った。貸金業法の総量規制の対象外にあることから、金融機関による消費者向け貸し付けが最近になって急増している。寄せられた相談は銀行カードローンの実態把握などに役立てる。
 

7面(地域金融)

企業向け融資専門店舗であることをアピール
京葉銀 初の「事業性融資専門店舗」
 湾岸エリアで法人戦略展開
 
 京葉銀行の東京都での2番目の店舗・東陽町支店(江東区)が7月24日に開店した。同行で初めての「事業性融資専門店舗」で、近い将来、店舗に昇格する予定の品川法人営業所とともに、東京での法人戦略をリードしていく。
第3子100万円、第4子以降200万円
 群馬銀が支給 不妊治療休暇も
 
 群馬銀行が1日から新たな子育て支援策を打ち出している。第3子に100万円、第4子以降に200万円を現金支給するなど行員の手当を拡充。不妊治療のための特別休暇制度も創設した。民間企業では高額現金支給を設ける先もあるが金融機関では珍しい。
 「育児サポート手当」は1日以降の出産を支援。第3子は総額100万円、第4子以降は200万円を支給する。第2子には一括で20万円。第3子で20万、第4子から40万円を年1回、5年間支給する仕組みだ。1年以上勤務する非正規行員を含む全従業員が対象。

8面(特集 金融機関のリスク管理最前線)

「反社排除」への取り組み
 りそなHD■ 新システム導入から1年
  正確化・迅速化で成果
 
 国内の金融機関が暴力団などの反社会的勢力排除に向けての態勢整備を進めている。顧客リスク管理業務の一端だが、特に反社対策は、マネーロンダリングやテロ資金供与防止の観点から、当局の規制強化の動きが、近年、加速している。これに呼応して各金融機関も対策に力を入れているが、大きなポイントとなるのが膨大な取引情報のチェックだ。「反社リスト」と取引名義人の照合を行うわけだが、その正確化・迅速化が大きなテーマ。新システムを構築し、昨年7月から運用を開始したりそなホールディングス(HD)をモデルケースとし、その最前線を紹介する。
 
 拡張性など進化図る りそなHD
 改善へPDCA継続 SAS
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・小冊子の発行

 
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